実績紹介
3D点群測量
TLS(地上レーザ測量)
レーザ測量とは、連続的にレーザを対象物へ照射し、対象物との距離を測定することで、構造物や地形などの形状を3次元座標(XYZ)の点群データとして取得する測量方法です。
レーザ測量には、ドローン(UAV)や航空機などから測定する空中レーザ測量、走行する車などから測定する車載レーザ測量、地上から測定する地上レーザ測量などがあり、弊社で取り扱っているのが3Dレーザスキャナを用いた地上レーザ測量になります。
近年、国土交通省が推進する『i-Construction(アイ・コンストラクション)』が施工現場で多く取り入れられており、今後ICT(情報通信技術の略)の全面的な活用が導入されていきます。測量業界では3次元データの活用が主な新技術となり、従来の平面的な紙図面から3次元データへの移行が必要不可欠となっていきます。
点群データから地形の変化点を拾い出し、現況平面図、縦断面図及び横断面図等を作成することができます。
点群データ作成(3次元点群データ)
横断面図(3次元点群データより抽出)
地上3Dスキャナ観測状況
太陽光発電施設建設に伴う測量業務(UAV写真測量)
ドローンで現場上空から地上を写真撮影し、画像解析を行うことによって3次元座標を持った
3D点群データが作成できます。ドローンは『無人航空機(Unmanned aerial vehicle)とも呼ばれ、略称としてUAVとも呼ばれています。
ドローンによる写真撮影は数十分で完了するため、従来の測量方法であるTS測量に比べ現場での作業時間は大幅に短縮されます。GPSを使用して予め設定したルートを自動飛行するため、操縦ミスによる事故を防ぎます。
弊社ではドローン測量にて太陽光発電設備建設予定地の測量を行い、設計に必要な図面作成を行っています。
点群データ作成(3次元点群データ)
飛行ルート設定画面
ドローン観測状況
基準点測量
唐櫃金懸堰堤建設に伴う3級基準点測量
基準点測量は既知点に基づき、新点である基準点の位置を定める作業をいいます。新点は、測量作業範囲内若しくはその近傍(きんぼう)に既知点がない場合に設置が必要となります。
当社ではその設置方法としてトータルステーション(TS)による測量はもとより、GNSS測量によるスタティック法やRTK法による測量も実施しております。また、山間部や住宅街など衛星からの電波受信に影響がある地物が多い場所については長脚やタワーを用いて対応しております。
本業務は砂防堰堤の建設に伴い、3級基準点を3点新設するため、GNSS測量スタティック法による基準点測量を行いました。新設点のうち1点は、山頂付近であったことからタワーを設置し、他2点は長脚を設置して観測を行いました。
用地測量
国道29号上野地区用地測量等業務
用地測量は土地及び境界等について調査し、用地取得等に必要な資料及び図面を作成する作業をいいます。土地の境界を確定する工程として法務局や役所において資料調査を行い、現地において関係権利者との境界立会いを行います。境界確認により特定した境界を測量し、用地実測図や用地平面図を図面に展開して作成します。
本業務は、約7千㎡を測量調査範囲とし、関係権利者約20人と終日境界立会いを行いました。境界立会いを円滑に進めるために立会い計画を綿密に行った甲斐もあり、当日は円滑に進めることが出来ましたので、改めて計画準備の重要性を再確認しました。また、立会いにおいては権利者への説明や聴取を慎重に行い、不手際等が無いように心掛けて行いました。
なお、当社は土地分筆登記をはじめ、地図の訂正申出や地積更正登記など土地表示登記に関する手続きを、連携する土地家屋調査士事務所へ委託することによって全般的に対応可能です。(詳細は「登記部門」を参照)
立会前受付風景
立会風景
流量観測
加古川下流流量観測業務
近年、台風や長時間に及ぶ集中豪雨による災害が多発しているため、その対策が重要視される中、河川計画の立案や洪水予報等の河川管理を行うには長年にわたる通年の流量(※1)の変化を知る必要があります。そこで、流量観測(※2)を実施することにより取得したデータを蓄積することが重要となります。
※1 | 流量とは単位時間に河川のある横断面を流下する水量のこと |
※2 | 流量観測は河川を横断上で細かくピッチ分けし、そのピッチ毎の断面積とその区間での流速を測って流量を求める方法 |
取得したデータは、今後の治水、利水、環境といった各側面から総合的な河川管理にとって必要となる基礎データとなります。
流量観測方法はいくつかありますが、弊社は主に流速計を使用して流量を求める流速計測法と浮子を使用して流量を求める浮子測法を用いて観測しました。流速計は徒歩や舟を用いて年間36回観測を行う低水流量観測に使用しました。浮子は台風や集中豪雨による洪水時に行う高水流量観測に使用しました。
平成30年度事業では西日本豪雨の影響による出水があり、高水流量観測及び大規模出水時に行う痕跡調査(※3)も行いました。
※3 痕跡調査とは洪水後の水位上昇の痕跡を現地にて確認し、水位上昇範囲を特定するものである
流量観測にて取得したすべてのデータをもとに水位(H)と流量(Q)の関係を求め、水位流量曲線式(H-Q曲線式)を作成しました。
低水流量観測状況
高水流量観測状況
痕跡調査状況
UAV点検・監視
夢前川水系夢前川他UAV(無人航空機)を活用した河川点検・監視業務
兵庫県が管理する河川において、従来は目視による巡視点検を基本としていたところ、河川管理業務の効率化を目的としてUAV(Unmanned Aerial Vehicle=無人航空機、いわゆるドローン)を活用した河川点検・監視システムの運用を開始しました。
当社は姫路土木事務所管内の河川である夢前川他6河川において空撮動画撮影28.9km、河川巡視点検3.2km、堤防・樋門135箇所の点検・巡視を行い、空撮動画データ取得やシステムの構築を行いました。
空撮動画の一つのメリットとして、毎年同じルートを飛行させることで経年変化の状況をより正確に確認することができます。
ドローンにより実際に撮影した動画はこちら
※実際のものより画質を落しています。
道路附属物点検
道路附属物点検業務委託
道路標識、道路照明施設、道路情報提供装置及び道路情報収集装置を道路附属物といいます。
近年では照明灯具の落下や支柱の倒壊等による事故事例が報告されているため、点検作業の実施によって附属物の変状を出来るだけ早期に発見し、適切な措置を講じることにより事故を防止し、安全かつ円滑な交通を確保することができます。
本業務は「附属物(標識、照明施設等)の点検要領(案)(平成22年12月 国土交通省道路局国道・防災課)」に基づき定期点検(詳細点検)を実施しました。
調査範囲は、加古川市及び高砂市内の国道2路線と県道26路線に及ぶ附属物を対象とし、約1800本を調査のうえ1000本の点検を行いました。
点検方法は所定の部位に対して点検用資機材を併用して近接目視により行い、点検結果より腐食が著しい部位には超音波パルス反射法による残存板厚調査、亀裂の疑いがある部位には磁粉探傷試験を行い、点検結果をとりまとめました。